教えて森田先生
日本を代表するイグサ研究の第一人者 北九州市立大学助教授森田 洋 先生(農学博士)の最新研究成果をご紹介します。 |
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イグサを食べると排便回数が増加する 女子高校生(15歳〜18歳)20名を対象として、イグサの摂取による排便回数、身体計測、血液検査の影響について調査を行ないました。被験者に朝昼晩の食後に1.5
gずつ(4.5 g/day)イグサを摂取させた結果、摂取2週間で1日4.5 gのイグサの摂取で、排便回数は平均0.7回から1.5回に増加し、平均で1日1回を下回っていた被験者の排便回数が、イグサの摂取により平均で1日1回を超えました。これはイグサが63%という、特筆すべき高い食物繊維量を含有しているからであり、この成果は健康・栄養食品研究という学術誌に4月に発表済みです。 |
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イグサを食べるとウエストが減少する 同じ調査により、摂取2週間で1日4.5 gのイグサの摂取で、ウエストは被験者の殆どで減少が見られ、平均4.6 cmの減少でした。便通の改善が腸内滞留時間を短くして、ウエストが減少しているものと考えられます。この成果も健康・栄養食品研究という学術誌に4月に発表済みです。 |
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イグサの水抽出液を足にかけると、足の臭いが軽減する 足の臭いの原因には大きく2つあるといわれています。1つは汗腺・皮脂腺から発するアンモニア。そしてもう1つが足に付着している微生物群の増殖で発生する腐敗臭です。イグサはこの微生物群の増殖を抑える作用に優れています。 |
(イグサの足臭微生物群に対する抗菌作用:左はイグサ2%添加のもの,右はイグサ無添加のもの。右だけ微生物が生えていることがわかる。) |
イグサをお風呂に入れると、肌がスベスベする お風呂にイグサを入れると、肌がスベスベします。イグサの植物油成分が関与しているのでしょうが、スベスベの原因については現在研究中であります。また最新の研究成果でイグサはレジオネラ菌や大腸菌などに対しても抗菌作用を有しています。そこで熊本県八代市内の「ヘルシーパル八代」という宿泊施設に協力いただき、2005年4月より浴槽中にイグサをいれた「イグサ風呂」の試験的運用を開始させました。イグサを入れた浴槽は透明な淡黄緑色に染まり、イグサの香りがほのかに漂います。またイグサは先刈りしたものや丈の短いイグサ、更には畳を作る際の切れ端でも利用可であり、廃棄されるイグサの有効利用にも大いに役立つものであります。新訂和漢薬によると、イグサの抽出液は炎症,切り傷,打撲の改善にも寄与すると書かれています。当入浴施設における利用者のアンケート調査でも好評であります。 |
ヘルシーパル八代でのイグサ風呂の光景。 レジオネラ菌・大腸菌の制御、 保湿効果(お肌スベスベ)、 炎症、切り傷、打撲等の改善などの効能がある。 |
イグサは活性酸素の消去に優れている イグサは活性酸素の消去作用にも優れています。スーパーオキサイドは活性酸素種の中の一つであり,少量では免疫効果を発揮するものの,体内に多量に蓄積した場合,ガンや動脈硬化,糖尿病,老化,アトピー性皮膚炎,アレルギー疾患など様々な病気を引き起こすことで知られています。活性酸素種は,酒やタバコを飲むこと,ストレスが溜まること,空気が汚れた環境での生活や食品添加物を多く含む食品を食べることなどにより,体内に蓄積されます。しかしこれらは現代生活において避けては通れないものばかりであり,活性酸素を消去する食品を日常的に食べることが必要であると考えられています。イグサのスーパーオキサイド消去活性(SOD様活性)は4200単位/gであり、イグサや小麦胚芽のSOD様活性は様々な農作物の中でも高いことが示唆されます。 |
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イグサはデトックス効果に優れている イグサの茎断面図を電子顕微鏡(SEM)により観察した結果、イグサが他の植物に比べて、特徴的である部分は髄部の構造であります。イグサの髄部は白色多孔の弾力性に富む星状細胞からなる海綿組織が多数存在しています。これが灯心といわれる部分であります。その昔は行灯の芯に使われていたように、このような「スポンジ」のようにふんわりしたイグサの中心構造が畳に弾力性をもたらしています。またこのスポンジ構造は様々なものをくっつける力があり、これがイグサのデトックス効果にもつながります。例えばコップにタバコの煙を入れて、片方のコップにはイグサを入れて、もう片方のコップにはイグサを入れずにしばらく置くと、イグサを入れたコップのタバコ臭は殆どなくなります。タバコの煙をイグサが吸着したのです。 |
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森田先生のプロフィール |
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1970年9月20日生まれ 主な著作 |
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